日本の平均貯金額
年代別の平均貯金額
日本の年代別の平均貯金額には大きな差があります。
例えば、20代独身者の平均貯金額は142万円ですが、中央値はゼロであり、約61.0%が貯金をしていないという状況です。30代になると、独身者の平均貯金額は400万円に増加し、中央値は56万円となります。30代の夫婦だと平均貯金額は380万円で、中央値は238万円となっています。40代独身者は平均貯金額が657万円、平均貯蓄額は75万円に上昇し、50代独身者は平均貯金額が1,048万円に達し、中央値は53万円です。このように、年代が上がるにつれて貯金額も増加する傾向があります。
世帯別の平均貯金額
世帯別の平均貯金額を見ると、更に具体的な状況が見えてきます。金融広報中央委員会が2021年に行った調査によれば、2人以上の世帯の金融資産平均保有額は1,563万円で、中央値は450万円でした。これは、世帯構成や収入の違いにより貯金額に大きな差があることを示しています。特に世帯収入が多い場合、貯金額も増える傾向がありますが、多くの世帯が金融資産を持たない実情もあります。
中央値と平均値の違い
平均貯金額と中央値の違いを理解することは非常に重要です。平均値は全体の総貯金額を人数で割ったもので、極端に多いまたは少ない貯金額を持つ人がいると、数字が偏りやすくなります。一方、中央値は全てのデータを昇順または降順に並べた際の中央の値で、極端な値の影響を受けにくいという特徴があります。このため、中央値の方が実態に近い数字を表しているとされています。具体的には、20代独身者の平均貯蓄額が176万円に対して中央値は20万円であり、貯金をしていない人が多いことから中央値がより現実的な数字といえます。
賢い貯金の方法
収入の割合を決める
収入の中から適切な割合を貯金に回すことは、効果的な貯金のスタートポイントです。一般的には、手取り収入の10-15%を貯金に充てることが推奨されています。例えば、月の手取りが25万円の場合、2.5万円から3.75万円を貯金すると良いでしょう。これにより、無理のない範囲で安定した貯蓄習慣を身につけることが可能です。特に、20代や30代の独身者は収入割合を決めることが早期の将来設計に大いに貢献します。
固定費の見直し
貯金を効果的に増やすためには、固定費の見直しも欠かせません。家賃や光熱費、通信費などの固定費を減らすことで、可処分所得が増え、その分を貯金に回すことができます。例えば、インターネットや携帯電話のプランを見直し、よりコスパの高いプランに変更することなどが一つの方法です。これにより、無駄な支出を抑え、効率よく貯金額を増やすことができます。
自動貯金サービスの利用
自動貯金サービスは、手間をかけずに定期的に貯金を行うための便利なツールです。口座引き落としやアプリを利用して、毎月一定額を自動で貯金用の口座に移動する仕組みを活用しましょう。これにより、意識しなくても貯金が進み、貯蓄の習慣化がより容易になります。また、自動貯金は、突発的な出費に備えて別途貯金口座に入金する形にも活用できます。
金融商品の活用
貯金だけでなく、金融商品を活用することで貯蓄を効率よく増やすことも考えられます。例えば、定期預金や積立投資信託などがあります。特に、リスク分散を図った積立投資信託は、長期的に見ると資産を着実に増やす手助けとなります。金融商品の選択肢は様々存在するため、自分のリスク許容度や投資目的に合った商品を選ぶことが重要です。これにより、定期的な貯蓄と合わせて、資産形成をより効率よく進めることができます。